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整形外科コラム

疲労骨折

スポーツ選手は要注意!疲労骨折について

疲労骨折とは、体の同じ部位に繰り返し加わる力によって骨にひびが入ったり、そのひびが進行して 完全に骨折に至った状態を疲労骨折といいます。一度の大きな力によって起こる骨折とは区別され、走る・ジャンプするなど同じ動作を反復的に行う スポーツ選手に多く、特に短期間に集中的なトレーニングを行った際に多くみられます。

疲労骨折の主な要因

選手側の要因

  • 筋力不足
  • 体の柔軟性不足
  • アンバランスな筋力
  • 未熟な技術     など

環境側の要因

  • オーバートレーニング
  • 体力・技術に合わない練習
  • 不適切な靴
  • 地面が固すぎる・柔らかすぎる など
疲労骨折の起きやすい部位

特に疲労骨折の起きやすい部位としては、脛骨や腓骨(すねの骨)や中足骨(足の甲の骨)などの下肢の骨に多くみられます。  その他には肋骨や尺骨(腕の骨)なども起きやすい部位です。

疲労骨折の起きやすい部位
整形外科を受診すべきサイン

 疲労骨折は、骨に繰り返し負荷がかかることで発生する小さな骨折です。早期に適切な治療を受けることが大切です。以下のようなサインがある場合は、受診することをおすすめします。

  • 運動時の痛みが続く・悪化する

    初期は運動時のみ痛みを感じるが、進行すると安静時や睡眠中も痛みがある

  • 腫れや熱感がある

    疲労骨折が進行すると、腫れや軽い炎症が起こることがある

  • 歩く・走ると痛みが増す

    痛みが徐々に増し、日常動作でも違和感を覚える

診断と治療

外傷が無く慢性的な痛みが続くなど疲労骨折を疑う際は、まずレントゲン検査を行い骨折の有無を確認します。ただし初期の疲労骨折では、レントゲン検査では判別がつかないケースも多いため、経過観察をして再度レントゲン検査を行ったり、MRI検査・CT検査※を行う場合もあります。

治療は、比較的軽度であれば安静にする事で治癒しますが、状態によってはギプス固定や手術が必要となるケースもあります。疲労骨折は目立った外傷がないため気付きにくく、初期は痛みも比較的軽度なため、我慢して運動を継続し悪化させてしまう事も珍しくありません。悪化させてしまうと、治療期間がが長引いたり手術など複雑な治療が必要となってしまう事もあるので、異常を感じた時点で運動を中止して、適宜整形外科医に相談しましょう。  また、疲労骨折を再発させないためには、原因を検証し環境を整える事が重要となりますので、指導者(監督やコーチ)ともよく相談しましょう。

※当院では、MRI検査・CT検査を行う場合は、検査のみ他施設へ紹介になります。